沓掛町内では、毎年秋に五穀豊穣を祝い祭りが実施されます。
その形態は、神輿を壮年がかつぎ、
小学生、若連中が獅子舞を町内約二百軒もの
家々を、
夜遅くまで二日間にわたり踊りまわる町内揚げての一大イベントです。

 沓掛獅子舞の歴史は、黒部では古く、
明治元年頃入善方面から流れて来たとも言われているが、定かではないようです、
現在の朝日、入善、宇奈月、黒部の獅子舞は同一のものであり、
それは、遠く北海道までおよんでいます。

 
この長い伝統を持つ沓掛の獅子舞にも平成に入り、
二度の転機が訪れました、
一度目は平成五年に、それまでは、
小学児童は男の子だけで踊り続けて来たものが、
男子児童数の減少と、女の子も祭りに参加させて欲しいとの
意見が多く聞かれるようになり、
他の地区の実態を参考にして、
女子児童も踊りに参加することになりました。

二度目の転機は、平成十年、それまで約百二十年間地区民の熱意により、
一回も休む事無く、
毎年十月二十九日と三十日に実施されて来た祭りの時期を、
社会情勢の変動や実質活動出来る青年団の減少により、
九月の第四 土日に変更した事です。

女の子の祭りへの参加は、結果として祭りが華やかになり、
町内外の評判も大変好評であったが、
開催時期の変更は、今までの伝統の意識が強くまだ皆さんに
馴染みが薄いように思われます、
しかし、
今後九月の第四,土日が沓掛の秋祭りだと認識してもらえるように、
伝統を築きあげて行かなければならないと
町内揚げて取り組んでいます。

 沓掛に生まれ、
沓掛に生きた人たちは、
この獅子舞の笛や太鼓の音が
いついつまでもふるさとの、
思い出として心に残るのです。